東根山　秀重院

岩木から黒鳥までは１６キロ。谷地から最上川を渡り山形空港北側を通り抜けて東根市に入る。
市街の東端白水川の上流のほとり小高い山の中腹に観音堂がある。
観音堂の中には２番山寺と同じように西国三十三観音像が安置されている。そして目立つのが、婚礼の絵額が堂内いっぱい寸分の余地もないほど納められている。
未婚のままこの世を去った娘が死後の世界で相手を見つけ、晴れて結婚できるように祈願して納めたものであろう。
どこの札所でも二、三は見受けられるのだが、黒鳥はことのほか多い。 しかも地元の人のものでなく他県の奉納者が多い。
山の上の境内は公園になっており裏側にある沼には弁財天を祭ったお堂が浮かび春から秋にかけて市民の憩いの場となっている。またふもとには鶴ヶ池・亀ヶ池という二つの池もあって観音様のお堂はこの池のほとりにあったということだ。
山上の公園からの眺望は村山平野の広々とした田園の上に月山・朝日連峰が浮かんで実に雄大で左手足下には先端産業のエレクトロニクスの基地大森工業団地や山形空港が見える。