唐松山　護国寺

山形市街地を東へ笹谷街道から、馬見ヶ崎川の対岸に唐松観音が美しく見える。
朱と白の懸崖造り、東北の清水観音堂と称されている。
舞台造りの観音堂は、馬見ヶ崎川の流れに洗われる崖っぷちに、３０メートルほどの高い柱の上にのせられている。それだけに眺望がよくきいている。
川の流れの上流をみれば屹立する雁戸の峰がせまり、川下に目を転ずれば、広がる市街の遥か上に夏なお白雪を頂く朝日連峰がくっきりと見える。
信仰の霊場ではあるが、その眺望の美しさを求めて若い市民のレクリエーションの場ともなっているようだ。
数年前から市の観光協会が世話役となって観音堂下の河原で芋煮会が間かれるようになった。会費制であって、いつ、だれでもが手ぶらで出かけて行っても、秋の風物詩である芋煮を楽しむことができる。
旅行者には好評のようである。とくに笹谷トンネルができてからは仙台の観光客がぐっと増えている。東北横断自動道酒田線のハイウエーも通り地の利を得た札所といえよう。