弘誓山　養泉寺

尾花沢の町の中にある養泉寺は観音さまもさることながら俳聖松尾芭蕉が滞在したところで有名である。
山門の前に「奥の細道」という標識がある。芭蕉がこの尾花沢を訪れたのは元禄２年（１６８９）で、紅花大尽といわれた鈴木清風の世話でこの養泉寺に７日間泊まっている。

　涼しさを我宿にしてねまる也
　まゆはきを俤にして紅粉の花

このような名句を残したわけだが境内には”涼しさを…”を刻んだ涼し塚と称する句碑が建っている。
紅花商人清風はよく江戸に出て取り引きしていたが俳句を習っていた関係で芭蕉と親しくしていた。
ご本尊は慈覚大師の作で聖観音。
第２３番六沢観音と同じ木で刻まれたと伝えられている。
もとは北坂下の田んぼの中にお堂があったが元和元年（１６１５）に現在地の養泉寺境内に移建したという。
明治２８年に焼失し翌々年に再建された。