30番の丹生村観音を終わって、山刀伐峠越えである。 もとは最上霊場のうちで最難所であった。標高470メートルの峠の頂上には老杉のもとに地蔵堂が建っている。
芭蕉の「奥の細道」にある”高山森々として一鳥声きかず、木ノ下闇茂りあひて夜る行くがごとし・・・と、その険阻な山路を描写しているが、現在では峠の麓にトンネルが開通して快適なドライブウェイになっている。
トンネルを抜けて間もなく小国川の清流沿いに軒を並べる赤倉温泉に出る。
巡礼の旅の疲れをいやす温泉場である。
ここから北に向かって明神川を渡り国道47号線に出る。右に行けば宮城県鳴子温泉へ。左に曲がれば陸羽東線赤倉駅、さらに1キロほどのところに31番の札所がある。
観音堂の中はすべて馬の絵馬である。一関市の舞草観音、官城県登米郡鰌渕観音とともに、奥羽三馬頭観音として有名。